「アジアが変わる―自由を得させてくださったキリストによって」 ガラテヤ5:1、13-26 柳沢美登里姉 |
2004年現在、アジアの人口は約34億。そのうち、一日百円以下で生活する人は7億5千万人、5人にひとりです。先進国や日本でダイエットが盛んになる一方、今日の食べ物が十分でない人がこれほどいるのです。アジアでは国全体が貧しい時代は終わり、国内の貧富の格差が課題です。その原因の一つに、中国、インドの社会の仕組みに代表される家族、身内の結束が絶対であり、赤の他人には同国人でも手を差し伸べるという考えが少ないと思われます。裕福になった人は、自分の将来が不安で自己保身のために限りなく蓄財を続けています。これは、日本も全く同じではないかと思いました。
このような「枠組み」から解放される道をアジアの国々は経験し始めています。現在、アジア大陸が世界でクリスチャン人口の増加率が最も高いのだそうです。キリスト教は西欧の宗教だから、という敬遠から自分の罪からの救いと共に、様々な「枠組み」からの解放、自由をキリストの力を通して経験する時代へと転換し始めています。
先日、訪問した国際飢餓対策機構と働く香港の教会には、多くの若者が、不安だから参加する儀式や心の底では満足感を得られない金銭・モチモノでの将来保証からの自由を得るために集まっていました。この一年、印象に残った言葉はインドネシア、香港、タイ、インドなどのアジアでキリストを信じるようになり、貧しい方々への働きに召されたリーダーが異口同音に語られた「キリストによって、やっと手にすることのできた自由」でした。
リーダーたちは、「キリストに解放された自由」を自分の好き勝手に使えるものとしてではなく、パウロが力説したように「肉に罪を犯させる機会とせずに、愛によって互いに仕えあう」ものだと理解し、既存の「枠組み」を超えて力強く行動し始めたのです。地域、国境を越えて見知らぬ人々を自分の身内のように見ることができるという内側からの変革が聖書の神様によって起こされていました。援助団体で働くクリスチャンは、クリスチャンでない周りの人からは、儲けにもならないことで他人に関わる不思議な存在だと言われるそうです。
昼食会で、宣教の召しを与えられた未亡人の方を通して、二つのチャレンジを与えられました。50代で高卒のこの方は主の召しに従ったのです。自分の経験や枠組みに安住するのではなく、キリストの霊によって導かれ続けること。そして、今、アジアのクリスチャンが多く召し出されているのですから、気の遠くなるような数字だった7億5千万の絶対貧困の人々へキリストの愛を証しし仕えることは、今、可能なのだと。アジアの国々の関係が問い直されるこのとき、日本のクリスチャンがアジアのクリスチャンと共に、キリストの自由を得たものとして仕えることで平和を作り出していく者となることを神様は期待されているのではないでしょうか。